色盲症の彼女は幸せの色がわからない。
しばらくして…



「よし!じゃしゅっぱーつ!」


「あ!まって、海斗お金…」


「あー!いいよいいよ!俺の奢りだからね」


なんか申し訳ないな…

私もなにか海斗にお礼しなくちゃ。




「こっちだよ、成海」




「こっち?どっち?」



「成海って方向オンチだよね?絶対」



「う…そんなことない。」



「もうすぐだよ!ここからは目をつむってもらいまーす」



「ええ、こわいな…」



それでも言われた通りに目をつむった。



海斗が私の手を握った



「大丈夫、俺を信じて」



ドキッ


「いたっ」



「大丈夫!?俺強く握りすぎた…?」




「ううん、違うの、なんか胸?心臓が…」



「ええ!?大丈夫!?心臓が苦しいの?
どうしよう…俺…病院行く?」



すごく心配してくれてるけど、

きっとこれは病気でもなんでもないのは私にもわかった。




でもそれ以上はわからなかった



一体なんなんだろう

私を…私の心を動かすこの感情は…



「もう平気だよ、大丈夫。」




「よかった…よし、ついたよ。目、開けてみて」



「ん…」



ゆっくりと目を開けてみる


そこには…


「わ…綺麗…!」



「でしょ、俺のもうひとつのお気に入りの場所だから。」



「もうひとつ?」



「うん!もう一個はあの海の夕日が見える場所だよ。」



「そうなんだね、私、ここ気に入ったかも。」



「よかった!街中にある庭園だよ。小さい頃からよく来てたんだ」



「海斗…今日はほんとにありがとう。
私…恥ずかしいけど、友達いないんだ(笑)
こんなの初めてで。」



「こちらこそ、成海といると楽しいよ。
また遊ぼ!」





ニシャッと笑った。




海斗といると…私は…


「私は…楽しい…」



「そう?嬉しいな…」




初めて言えた。


海斗に〝楽しい〟って



「もうそろそろ夕日見れるんじゃないかな?
あの場所に行ってみよーよ!」



「うん!」


そして私たちは庭園をあとにし、海へ向かった















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