君のとなりで恋をします。─上─
試合、やらないのかな?
私がそう思い始めた時、彼が声を上げた。
「あの、成宮さん!」
ザワザワとした周りの声をかき消すような大きな声を発した彼。
「……はい。」
大きな声に少し驚きつつも、私は彼の方に視線を向ける。
そこにいた彼は、なぜか真っ赤な顔で直立していて…
また熱中症かな?なんて考えていると、彼は金魚のように口をパクパクとさせ始めた。
なかなか言葉を発さない彼に、そこにいた全員が静かに注目する。