君のとなりで恋をします。─上─
「──────うわぁ!?」
地面に落ちていた空のペットボトルを踏んだゆーくんは、バランスを崩して前に倒れる。
───────バシャッ
ゆーくんの手から離れたタライは、綺麗に宙を舞い、中の水は見事に私に命中。
「…かすみねぇちゃん、ごめんなさい!」
ぽたぽたと前髪から滴り落ちる粒と、目の前で泣き出すゆーくん。
もうすぐ夏とはいっても、さすがにまだ寒い…。
…でもまずはゆーくんを何とかしないと。
大声で泣かれたら柊吾が起きちゃう…。