君のとなりで恋をします。─上─
「大丈夫だから。
ごめんけど …もう帰って。」
香純に風邪を移したくない。
弱っている所を見せたくない。
…そして何より、俺の理性が持たない。
熱で頭もぼうっとしている上に、今は密室で二人きり。
お願いだから、俺が暴走する前に帰って…
「やっぱり…迷惑だった…?」
瞳に薄らと涙を浮かべながら、分かりやすく落ち込む香純。
あー…だめだ。
かわいい…抱き締めたい…。
ずっと好きだった女の子。
ずっと抱き締めたかった…
キスしたかった…
でも、我慢だ。
頑張れ、俺。
「迷惑じゃない。
…でも、風邪が移るといけないから…」
冷静にそう言い返す。