君のとなりで恋をします。─上─
「病人が気なんて使わなくていいの!」
「ね?」と可愛く俺の顔を覗き込む。
至近距離にある可愛らしい顔に、上目遣い。
彼女には大きすぎる俺のTシャツは少しはだけて、胸元がチラリと見える。
もうだめだ…
「─────わぁッ…!?」
俺は香純の腕を引き、そのまま力強く彼女を抱き締めた。
加速する鼓動。
全身で感じる彼女の温もり。
「え、しゅ…柊吾……?」
戸惑った様子を見せる香純。
…キスしたい…。
でも、それはさすがに…
そんなことしたら絶対風邪が移る…。
自分の中で必死に葛藤する。