君のとなりで恋をします。─上─
「柊吾…どうしたの…?」
優しく俺の背中を摩る香純。
俺はそんな彼女から体を離すと、ゆっくりと顔を近づける。
俺の様子を察したのか、香純はぎゅっと目を閉じた。
「香純…好き…。」
長い睫毛、白く綺麗な肌。
そして、ぷっくりとした桜色の唇。
やっと触れられる…
やっと…────
─────────プルルルル…
「…わっ!」
唇と唇が触れ合う直前、静かな部屋に鳴り響いた着信音。
「…ごめん、私のだ!
─────なんだ、葵斗か…。」
ため息を吐きながら電話に出た香純。