【番外編 完】愛を知らない彼
「姉ちゃん、突然どうしたの?」

「ちょっと問題があって……しばらくの間、ここにいさせてくれないかなあ?」

弟は、無理に話を聞き出そうとせず、いつまででも部屋にいていいと言ってくれた。


その夜、康介さんの電話には出られなかった。


ー千花、疲れて寝ちゃったかな?また明日。おやすみー


康介さんからメールが届いていることも気づいたけど、それも返せなかった。

一夜明けても、園田さんとのやりとりが信じられなかった。
嘘であって欲しい……そう願うものの、園田さんの左指にはめられた指輪を思い出しては暗い気持ちになっていった。


なんとか仕事はこなした。
私の様子が変だと心配してくれる同僚の先生達に「大丈夫」と返し、また弟の部屋に戻っていた。

「姉ちゃん、大丈夫か?何かあったの?そっとしておこうと思ったけど、食事もろくに食べてないみたいだし……話聞くぐらいできるよ」
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