極上蜜夜~一夜の過ちから始める契約結婚~
「ま、って!!」
意を決してグッと顔を上げ、床を蹴って追いかけた。
先を行く成瀬さんの背中でスーツをぎゅっと握りしめ、もう一度足を止めることに成功する。
「なっ……?」
「だったら、せめて。なにか、私にできることはありませんか?」
どうしてだか、必死だった。
私を見下ろす彼の黒い瞳に、言葉を尽くして訴えかける。
「あなたに?」
訝しげに眉根を寄せるのを見て、私は彼の上着から手を離した。
一度ごっくんと唾を飲んでから、何度も首を縦に振って見せる。
「逆に聞きたい。あなたになにができますか?」
意地悪に質問を返され、私はうっと口ごもった。
「そ、そりゃあ、大したことは……。でも借りっ放しになるかもしれないのに、このままじゃ……」
結局、声を尻すぼみにして黙った私の頭上で、成瀬さんが「ふう」と息を吐いた。
「オドオドしたうさぎかと思いきや、なかなか強情ですね、あなたは」
「う、うさ……?」
「まあ……そこまで言うなら、一つお願いしたいことが」
「……! は、はい。仰ってください」
彼が私になにを要望するのか。
目まぐるしく働き始めた思考回路で、言葉の続きを予想した。
「今夜のご予定は?」
「っ、え?」
今までと打って変わった悪戯っぽい微笑みに、胸がドキッと跳ねる。
意を決してグッと顔を上げ、床を蹴って追いかけた。
先を行く成瀬さんの背中でスーツをぎゅっと握りしめ、もう一度足を止めることに成功する。
「なっ……?」
「だったら、せめて。なにか、私にできることはありませんか?」
どうしてだか、必死だった。
私を見下ろす彼の黒い瞳に、言葉を尽くして訴えかける。
「あなたに?」
訝しげに眉根を寄せるのを見て、私は彼の上着から手を離した。
一度ごっくんと唾を飲んでから、何度も首を縦に振って見せる。
「逆に聞きたい。あなたになにができますか?」
意地悪に質問を返され、私はうっと口ごもった。
「そ、そりゃあ、大したことは……。でも借りっ放しになるかもしれないのに、このままじゃ……」
結局、声を尻すぼみにして黙った私の頭上で、成瀬さんが「ふう」と息を吐いた。
「オドオドしたうさぎかと思いきや、なかなか強情ですね、あなたは」
「う、うさ……?」
「まあ……そこまで言うなら、一つお願いしたいことが」
「……! は、はい。仰ってください」
彼が私になにを要望するのか。
目まぐるしく働き始めた思考回路で、言葉の続きを予想した。
「今夜のご予定は?」
「っ、え?」
今までと打って変わった悪戯っぽい微笑みに、胸がドキッと跳ねる。