最後の陽が昇る日まで
ずっと変わらない7種類の薬。
錠剤や粉薬などもうどれがどんな効果を持っているかなんて覚えきれなくて忘れてしまった。
正直、薬嫌いなんだけどな。
「良薬口に苦しですよ」
「・・・分かったいるわ」
小さくため息をついてから私は意を決して薬を飲む。
錠剤はまとめて飲んで、粉薬は水をたくさん飲んで流し込む。
「うぐ・・・」
薬のなんとも言えない苦みにしかめっ面になる。
「頑張りましたね」
「・・・うん」
はぁーっとまたため息。
後藤さんは、グラスを引いてティーカップを出してくれた。
冷たい紅茶が注がれる。
「今日は、ダージリンティーです」
「やった」
「お好きですもんね」
「紅茶は全部好きだけどね」
猫舌だから温かい紅茶を飲もうとすると、時間がかかる。
最初から冷たい紅茶が嬉しい。
一口飲めば、香ばしい香りとスッとした紅茶が喉を通っていく。
「おいし」
「良かったです」
隣で、なるべく音を立てないように片付けをしている。
ーーーコンコン。
「はい」
「失礼します」
ドアが開かれて梶が入ってきた。
後ろには見慣れた人が一緒だ。
「こんばんは。飯島先生」
「こんばんは。心晴さん」