エターナルリング
「あかね。……あかねは、大丈夫?私はあかねも結城と幸せになって欲しいんだよ?」

(えっ。結城と幸せに?)

あかねは、茉莉に手を握りしめられた。

「あかねが入社してしばらくしてから結城を好きだって気がついてたよ。」

 そう伝えられて、あかねは真っ赤になって茉莉を見た。隠してたつもりでいたのに、バレていたなんて。
 
 それを聞いた瞬間、あかねは一気にたまっていた気持ちが溢れだし、涙があふれた。

 茉莉が握っている手に力を込めて、話せたら話してっと囁いてくれた。

 茉莉の優しさに触れた瞬間、あかねは恥ずかしい気持ちも忘れて茉莉に話した。

 卓弥のプロポーズの話を聞き、今日しかないと決起会で気持ちを伝える予定が、ホテルに誘って抱かれたこと。自分の気持ちを伝えなかったこと。卓弥に謝られたこと。

 一気に、呼吸も忘れて話した。

「そんなことがあったんだ。」

「うん…。」

「じゃ、あかねがホテル出たあとに、緒方と結城はカフェに行ったわけか。」

「……茉莉、ひいてない?私がしたこと。」

「ひくわけないじゃん!あかねが結城限定でしかそんなこと出来ないの分かるし。」

その言葉を聞いて、親友に、卓弥を誘った行動を否定されたらどうしようと不安でたまらなかったあかねは、胸を撫で下ろした。

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