大嫌いな君と再会したら…
それから1週間後。

合コンは決行された。

うちの部署の男性6名、私の同期6名。

私、絶対、いらないじゃん。

しかも、数合わせで遠藤君まで入ってるし。

「岡田君、彼女いないの?」

莉緒が尋ねる。

「はい。」

「いつから?」

「んー、院に入る前なので、もう4年以上
いませんね」

「ええ!? なんで?
岡田君、モテるでしょ」

女子一同、身を乗り出して頷く。

「そうでもありませんよ。
毎回、振られて終わりますから」

「え、嘘! 何で?」

「多分、分かるんでしょうね。
どうしても忘れられない子がいるんで」

「ええ!? 誰?」

「中学の同級生です」

「もしかして、初恋?」

「そうですね。叶わなかった初恋です」

何、それ。
あの時、そんな子がいたの?
だったら、はっきり言ってくれれば良かったのに。
そしたら…

「平井は?」

突然、楠さんに聞かれた。

「え?」

「平井は、どんな奴が好みなんだ?」

「……… 人を思いやれる人ですね。
人の秘密をバラしたりしないような」

「なんだ、それ? えらく具体的だな」

「……… 冗談です。
イケメンじゃない人がいいですね。
私だけを見ててくれるような」

「ああ、残念。俺は対象外かぁ」

楠さんがおどけて見せる。

「ふふっ
それ、自分でいいます?」

釣られてみんなが笑った。

2時間ちょっと、みんなで楽しくお喋りをして、各々連絡先を交換してお開きとなった。
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