大嫌いな君と再会したら…
「ごめん。
でも、今さらだけど、言い訳させて
くれないか?」

一磨は繋いだ私の手をぎゅっと握った。

「あの時、有希が『好き』って言ってくれた
時、実はみんな教室にいたんだ」

は?

「そんなはず… 」

だって、一磨ひとりだったから、私…

「実は、教室でこっそりお菓子を食べてて…
足音が聞こえたから、先生だと思ってみんな
教卓の下とか、机の陰とかに必死で
隠れたんだ。
俺ひとり、隠れそびれて…
だから… 」

「みんな、聞いてたんだ?」

「……うん」

はぁ……

私って、バカ!

「なんで、そう言ってくれなかったのよ。
正直に言って、好きな子がいるからごめん
って言ってくれれば、こんなに一磨の事、
嫌いにならずに済んだのに」

「言おうと思ったよ。
思ったけど、有希、俺が話しかけてもずっと
無視するし、だから、言えなくて…
っていうか、好きな子って何?」
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