身ごもり秘夜~俺様御曹司と極甘な政略結婚はじめます~
「キスしたいけどできない」
「あ……、え、え?」
「口紅が落ちる」
零れる吐息までが悩ましく艶かしく、琴音は声も出せなくなった。
……なんか、閑ちゃんが今までと違う。
いつからだろうか、それはわからない。このところ彼も仕事で忙しく、琴音も実家に帰っていて今日は二週間ぶりに会う。だからかもしれないし、それ以前からのような気もする。二週間前の別れ際のキスは、確かに熱かったけれど。今の彼の目と同じくらいに。
あのキスを思い出せば、一層何も言えなくなる。真っ赤な顔で固まり閑の視線を受けていると、とても小さな、遠慮がちの咳払いが聞こえてきた。そこではっとする。
「あの……お色直しのお時間が」
そこには、琴音と同じように頬を染めた女性スタッフがふたり、所在なさげに立っている。
「その……よろしいでしょうか?」
「も、もちろんです!」
ぼっと顔に火が点いたように熱くなる。同時にどんっと閑の身体を突き放してしまった。
「あ……、え、え?」
「口紅が落ちる」
零れる吐息までが悩ましく艶かしく、琴音は声も出せなくなった。
……なんか、閑ちゃんが今までと違う。
いつからだろうか、それはわからない。このところ彼も仕事で忙しく、琴音も実家に帰っていて今日は二週間ぶりに会う。だからかもしれないし、それ以前からのような気もする。二週間前の別れ際のキスは、確かに熱かったけれど。今の彼の目と同じくらいに。
あのキスを思い出せば、一層何も言えなくなる。真っ赤な顔で固まり閑の視線を受けていると、とても小さな、遠慮がちの咳払いが聞こえてきた。そこではっとする。
「あの……お色直しのお時間が」
そこには、琴音と同じように頬を染めた女性スタッフがふたり、所在なさげに立っている。
「その……よろしいでしょうか?」
「も、もちろんです!」
ぼっと顔に火が点いたように熱くなる。同時にどんっと閑の身体を突き放してしまった。