身ごもり秘夜~俺様御曹司と極甘な政略結婚はじめます~
手を繋ぐ、そんなことすら未だにどきどきしてしまうのに……こども。
子供を望まれるということはそういうことだし、結婚をするんだからごく当たり前のことだ。だけど、ドキドキはしても、閑とそういうことをするということがなんとなく想像しがたいのは、なぜだろう。
庭に出て、飛び石の上を歩く。その間も、閑の手は離れなかった。
開いた白い木蓮の花を見上げ、綺麗と思わずつぶやくときゅっと閑の手に力が込められる。隣を見れば、閑の目がとても穏やかに琴音に向けられていて、琴音も微笑みそれから照れくささに俯いた。閑の後方からの視線にも気づいたからだ。
――おじさまとおばさま、縁側から見てるし。
恥ずかしい。けれど、閑の穏やかな目に見つめられると、まるで守るように包み込まれているようで、安心する。
子供の頃、琴音が泣くといつも手を差し伸べてくれた、あの笑顔と重なった。
泊って行けばいいのに、という優子の勧めは丁重に閑がお断りをして夕食だけいただいて車に乗った。閑は、母親には本当に遠慮なくはっきりという。まともに取り合ってたらきりがないから、ということらしい。
だが、そのおかげで、琴音にとっては少し助かったことがある。