お願いだから、俺だけのものになって

待ち合わせ場所にいくと
美紅が先に待っていた



「あ、奏多君!」



美紅、今日は化粧してんじゃん


髪もユルフワに巻いてるし



すっげー可愛い!!!



「どうしたの?
顔赤いけど大丈夫?」



そんなウサギみたいな目で
俺のこと見るなって!



上目使いで見つめられたら
俺の理性を保っていられなくなるんだよ!



「べ・・・別に・・・
 なんでもない・・・」



美紅以外の女の子には
『可愛いじゃん』って
薄っぺらい褒め言葉を平気で言えてたのに

美紅と一緒にいるとドキドキして
それを隠すのにいっぱいいっぱいな俺がいる



姉ちゃんのアドバイス通りに
できねぇ・・・



「どこに連れてってくれるの?」



「俺の癒しの場所
 誰にも教えたことなかったところ」



そこはプラネタリウムだ!


プラネタリウムの部屋に入ると
俺たち以外誰もいなかった



「奏多君って
 星が好きだったんだね」



「子供のころさ
 家族で星を見に行ったんだ

 夜の芝生に寝そべって空を見上げたら
 すっげー綺麗だったんだよ
 満天の星空でさ

 そっからかな・・・
 一人になりたい時とかはさ
 ここに来ちゃうんだよね」



「わかる気がする
 星を眺めると、癒されるもんね
 あ、部屋が暗くなった」



「美紅・・・

 手・・・つないでも・・・いい?」



「・・・うん・・・
 
 ・・・いいよ・・・」



暗いから余計に
美紅の手のぬくもりが伝わってきた




こんな幸せ感じたの、初めてだ!



もうこの手を
絶対に離したくない


美紅を俺のものにしたい

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