お願いだから、俺だけのものになって
(奏多side)

美紅は
俺からの手紙を
読んでくれただろうか・・・



手紙には



『どうしても
 美紅に聞いてほしい歌がある

 商店街のバレンタインライブに
 来て欲しい』

とだけ書いた



今日は商店街の
バレンタインライブ当日



会場は
クリスマスの時に
ツリーがあった駅前広場



肩くらいの高さがある
仮設ステージで

4組のバンドが
夜の7時から15分ずつ
ステージに立っている



俺と尊の出番は4組目だ



美紅は・・・
来てくれるだろうか・・・



美紅に届けたくて作った歌を
聞いてもらえるだろうか・・・




「オイ!奏多!
 そろそろステージ上がる準備するぞ!」



尊の声にハッとし
俺たちの前の出番の
ガールズバンドに盛り上がっている客を
ぐるりを見回した



・・・



やっぱり・・・



美紅は来ていないか・・・




そうだよな・・・



バレンタイン当日なんだ



夏樹さんと一緒にいるよな
美紅は・・・






俺に会いに来なくてもいい・・・



商店街の手伝いと言って
この会場にいてくれるだけでいい・・・



素直に伝えられず
歌に込めることしかできなかった
美紅への思いを

どうしても
聞いてほしいだけなのに・・・



「奏多?大丈夫か?」



「あっ・・・
今行く・・・」



俺は急いでテントに入ると
相棒のギターを持って
ステージサイドに向かった


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