お願いだから、俺だけのものになって
(美紅side)
「マッチ売りの少女かと思った」
「え?
か・・・奏多君・・・」
ふと見上げると
泣きはらした真っ赤な目で
精いっぱい笑う
奏多君がいた
「美紅への歌・・・聞いてくれた?」
「うん」
「すっげー嬉しい
きぬさんが言霊神社で
願ってくれたお陰だな」
「あの歌って・・・
奏多君の本当の気持ちなの?」
「そうだよ
俺、
美紅のこと夏樹先輩に
渡したくなかった・・・
でも
夏樹先輩に勝てるわけないって
弱気になってた・・・
嫉妬で美紅に
ひどいこと言っちゃったんだ
本当にごめん」
「奏多君・・・」
「俺の歌を
聴きに来てくれただけで十分
もう、夏樹先輩の所に・・・
行ってくれて・・・
いいから・・・」
「・・・
私・・・
夏樹さんとは別れたの・・・・」
「え?」
「夏樹さんと付き合えば
奏多君のこと
忘れさせてくれると思った
奏多くんの回りには
可愛い女の子がたくさんいて
私のことなんて
好きになってくれないって思ってた
でもダメだったの
夏樹さんと
付き合えば付き合うほど
やっぱり私
奏多君が好きなんだって
気づかされた
そんな私の気持ちに気づいて
夏樹さんから
サヨナラを言ってくれたの」
「やっぱり
夏樹先輩はカッコイイな」
「そうだね」
「オイ!美紅!
そこは
『奏多君の方がカッコイイ』って
言うとこだろ」
フフフと微笑んだ後
私は真剣な顔で
奏多君を見つめながら言った
「奏多君のことが
好きで好きでしょうがないの
これからも・・・
一緒にいてほしいです・・・
ダメかな・・・?」
「ダメじゃない」
奏多君は私を見つめ返すと
手のひらを私の頬にあて
私を引き寄せるように
キスをした