【短】Crazy For You
オレは、朝から水美の心を支配していたのが、他の誰でもないことに安堵しつつも、こんなにも悲痛な顔をさせてしまった自分が凄く情けなくなった。
水美がオレに依存するように仕向けたのは紛れもなくオレ自身で。
恋愛に関して記憶を無くしたような、赤ん坊よりも無垢な水美を独り占めしたくて、温もりと心地良い居場所を与え続けたのは、他の誰でもない、オレでしかなくて。
いつの間にか、一人でいられなくなったのは、オレの方。
水美無しじゃ、生きていけないほど弱いのも・・・。
「・・・・・・え・・・・・・ない・・・」
「・・・え?」
「水美がいなくなったら・・・なんて・・・・考えられない・・・」
「・・・え、いと・・・さ、ん・・・」