【短】Crazy For You
さっきとは違う意味でゆらゆらと揺れる水美の瞳を見ていたら、どうしようもない感情が後から後から溢れてきて。
背中に回した腕に力を込めて、その存在を、今この腕の中で温かい水美の鼓動を、自分の中に刻む込むように抱き締めた。
「・・・だから、勝手にいなくなったら、許さない」
「・瑛飛さん・・・・・・」
「オレの傍にいるって言ってよ・・・・・・水美・・・」
『オレだけだ、って・・・・・・・』
囁くように紡いだ言葉は、キスで水美の口唇に溶け込んでいった。
その痛みを伴うようなキスを何度も何度も落としたら、水美が、今日初めて花が咲き誇るような柔かな笑みを零した。