【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。


ラジオ体操の音楽がスピーカーから聞こえてくる。


爽やかな森の風に髪を押さえて。あたしは灰野くんに目をやった。


それに気づいた灰野くんがあたしに向けた視線は、今まで一番距離が近く感じる。


「昨日の俺たちの苦労なんだったんだろうね」


え。

灰野くんが、あたしに笑った。




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