【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。

「あのね、プールサイドでソーダ飲みながら、実は誕生日プレゼント貰ったの」


「意外。あいつ用意してたの?」


「ううん。その場で思いついたというか、ついでって言われたけど」


「ついでねぇ。あいつのそういうヘタレなところって、胡桃どうなの?」


「ヘタレ?」


「ん、まぁいいや。で、何もらったの?」


「手を繋いでもらった……っ」


「あー、なんか灰野っぽいね」


「あたしがお願いしたんだよ」


「あー、うん。胡桃っぽくもある」


スイスイすすむ自転車のおかげであっという間に学校の駐輪場に辿りついちゃった。

駐輪場はまだほとんど空っぽで、生徒は遠くにニ、三人見えるだけ。


「早く着きすぎたな」

「ナギちゃんなんでこんな早く登校したの?」


自転車で来るならもっと遅く出ても間に合うのに。

< 165 / 400 >

この作品をシェア

pagetop