【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。
朝のHRで先生からもナギちゃんの話があった。


学校のすぐ傍の国道で乗用車とぶつかったらしい。


HRが終わってすぐ、サッカー部のクラスメイトのところへと急いだ。


そこにいる佐藤君はナギちゃんと仲のいいサッカー部員だ。



「ナギちゃんの怪我って足の骨折だけ?」


「うん。そうそう。全然元気だよあいつ。暇そうだけど」


あっけらかんと笑う佐藤君を見て、ほっと胸をなでおろす。


だけど眉間に皺をいれたまま、スマホを確認した。
やっぱり未読のまま。


「LINEがずっと返ってこないんだけど……」


本当に大丈夫なの?


「スマホ壊れたって言ってたよ。すっげー守り方で道路に飛び込んだからな、あいつ」


「守り方?」


「あれ、知らない?一年のマネが轢かれそうになったところをナギが助けたんだよ」


「そうなんだ……」


ナギちゃん、
人のことばっかりにも、ほどがあるよ……。


< 199 / 400 >

この作品をシェア

pagetop