【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。
「きりーつ、礼!」
日直が声を張る。やる気がすごい。
「藍田さんみたいな可愛い子、そんなとろとろしてると、とられちゃうよ?」
「山本さぁ、授業始まってんだろ」
「それは藍田さんに言ってあげなよ。隣の子があんなにつついてるのに起きないよ」
言う通りのものすごい熟睡っぷりには、感服するよ。
「本当に図太い。まじ無理。なんなの藍田さん……」
「もっと俺のこと考えてーってか?」
山本はにししと笑う。
そんなこと思うわけないだろ。って突っ込むのもダルい。
「老婆心ながら俺から伊吹に大事なこと教えてやろうか」
「いらねーよ」
ちょっと黙ってろよ。