【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。
「ようするにあれだな。藍田さんは聞き上手には言っちゃうんだよ。きっと」
「……俺が聞き上手じゃないってことかよ」
「藍田さんを目の前にした伊吹のどこを探せば聞き上手になるんだよ。駄目だよな全然。ゴミ」
いい加減殺すぞ。
「彗は人の話聞かないし、リホは自分のこと言いたがるタイプ。ナギはあの通り聞き上手。つまりそういうことだ」
どんまい、じゃねーよ。
叩くな、痛いわ。
「で、肝心の泣いてた理由は何だったんだよ?」
「ふふふっ」
うわ。
気持ち悪い笑い方すんなよ。
「伊吹さ、自分の部屋にある机の、一番上の引き出しの中身に心当たりない?」
「えー?」
なに?
なんかあった?
「全然わかんない」