【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。
「……ナギちゃん」


「……あ、どうした胡桃?」


ナギのキラースマイル。

藍田さんの声に明らかに動揺しつつそれを隠そうとしてるのが第三者からは丸見えだ。


なんかあの二人、ここんとこ変な気がする。


「あたしのせいなのかもしれないけど……やめようよ、そういうの」


「別に胡桃のせいじゃない。人生謳歌したくなっただけ」


なに?”藍田さんのせい”って?
やっぱなんかあったの?


「ね、リリカちゃんたちも、そういうのはやめといた方が……」


意外にも藍田さんはあの女子たちと知り合いらしい。
前のクラスが一緒だったとかかな。


そんなことを呑気に思った瞬間。


「胡桃ちゃんも試してみたら?ナギいいよー!やさしくって、丁寧だし」

「うんうん!そのヒトトキはお姫様になれるよ!」


まじでやめろ。
そんなもんオススメすんな……!


「……聞きたくなぁーい!」


藍田さんは両耳に手を当てて、そう叫んだ。

うん、そのまま何も聞かないで帰って来なよ。


「俺、頼まれたとしても胡桃とは絶対しないよー」


距離感を見失った女子たちにべたべたされているナギは笑ってそう言った。


「来るもの拒まずなのにぃ?ナギひどーい」

「うん。だってさぁ、本気で好きな子には手出せない」

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