【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。
「同じ苗字になったら、藍田さんとは呼べなくなるだろ」


同じ苗字……?


え……それって。

ーーー灰野胡桃。


「……あたしの夢」


「夢なのかよ。……ははっ」


「笑わないで……」

口が滑っただけ。恥ずかしい……,


「そういえば、プリントに散々書いてたよね。”灰野胡桃”って」


「し、知ってたの!?」


「うん。知ってた」


あ、また悪戯っぽく笑う。
その顔ってズルいよ……。


「さっきも言ったけど、俺は藍田さんの理想や夢は叶えたい主義」


「うん……」


「だから……灰野胡桃になるって、ずっと将来の夢にしといてよ?」

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