月夜に花が咲く頃に
学校へ着くと、奥山は今日は休むらしく、車に乗って帰って行ってしまった。


多分今日はあの3人は休むんだろうなあ。


眠い目をこすりながら教室へ向かうと、もうすでに翼は登校していて。


私の姿を見るやいなや、突進してきた。


「雫ううううう!!!」


「うぐっ」


会ってそうそう首を絞めるのはやめてくれ。


とりあえず翼を落ち着かせて、席に着く。


「はい、これ雫の鞄」


「あ、ありがと」


「それで?昨日は大丈夫だったの?あんなセクハラ男に連れさらわれて!ていうかその包帯は何!?なんでそんな怪我してるの!」


「ちょ、声が大きいよ」


朝から翼がハイテンションなおかげで、クラス中の視線を集める。


ああ、もう。


「とりあえず、落ち着きなさい!」


「ふぇ、」


ぎゅっと翼の鼻をつまんでやって、大人しくさせた。


「昨日は明原が怪我したところを治療してくれただけだよ。他はなんもされてないから」


「でも、その怪我は?」


うるうると涙目の翼に、どう説明しようかと考える。


翼にはヨルのことは秘密にしてるし、何より心配をかけたくない。


「これはー・・・・・・、ちょっと、派手に階段で転げ落ちちゃって」


笑いながらそう言うと、翼は少し黙ってから、うつむいた。





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