偽装ウエディング~離婚前夜ですが、抱いて下さい。身ごもりましたが、この子は一人で育てます。~
「貴方は昔と変わりませんね」
小馬鹿にした笑い方と皮肉めいた言い方にムッとして私もたっぷりと皮肉を込めて返した。

「玲斗君だって、その敬語の話し方は変わってないじゃない」

「変わってませんよ。それよりもその玲人君は止めて下さい。年下の貴方に君付けで呼ばれたくないです」

「じゃなんて呼べばいいの?」

「ご主人様と呼んで下さい」
玲人君は真顔で言った。

「今、なんて言ったの?」
私の空耳かと思い、訊き返す。

「冗談です。それよりも…時間は取らせませんので、少しの間、僕の恋人になって下さい」

「えっ!?」

私が驚いているとヒールの踵をかき鳴らし、一人の女性が近づいて来た。

「玲人さん」

< 15 / 136 >

この作品をシェア

pagetop