キミ、が欲しい
「あ、星那のお母さんお久しぶりです」
梓がそう挨拶してくれて「もうすぐ拓海くんも来るよ」って。
「お母さん!?星那…さんの!?」
一番大きな声を出したのは麻衣子と梓の後ろに立ってた男の子。
顔真っ赤にして慌ててお母さんに挨拶してる。
「星那さんと同じ高校で……クラスは違いますけど、桜庭晴人です!」
「あぁ、いつも星那がお世話になってます。今日一日の検査入院で明日には退院出来そうだから心配しないでね」
「はい!良かった〜」
麻衣子が彼の腕を引っ張り私の目の前に押し出した。
「ほら、桜庭が一番心配してたよ」
まだ真っ赤なキミは「無事で良かった」って言う。
「あれ〜?もしかしてキミ…星那の彼氏?」
お母さんがそう聞いてくるから、
「え、誰?」と言った。
凍りついたような空気。
「彼氏?…んなわけないじゃん」と笑う。
再びドアが開いて遅れてやって来たもう一人。
「星那大丈夫か!?梓に聞いてびっくりした…っ!」
体が勝手に動いて、私は彼の元に駆け寄る。
そして抱きついた。
「えっ、星那!?どうしたんだよ…」と困惑する彼を皆に改めて紹介する。
「私の彼氏はこっち。ね…?拓海」
「ちょっと星那っ、何言ってるの?」って梓、焦り過ぎ。
「エヘヘ、つい最近付き合い始めたんだ〜言うの遅くなってごめんね」
「星那、おい……」
「星那、どうしちゃったの?星那の彼氏は桜庭だよ!?」
「やめてよ〜そんな冗談」