キミ、が欲しい



「結城先生ちょっといいですか」と看護師さんに言われて行っちゃった。
久しぶりに来たお母さんの職場。
堅物そうなお母さんだけど仕事に対する姿勢は少なからず尊敬してる。
まぁ、長年ひとりにさせられてるんだけどね。



そんなお母さんは、この総合病院で働く脳外科医のエキスパートだ。



とりあえず、全身が痛い。
どんな転がり方したんだろ。
後頭部もズキズキしてる。
あ、検査着も久しぶりだ……



すぐに脳の検査をして、いずれも異常なしとの結果だった。




当直明けのお母さんは一度家に帰り制服の着替えを持って来てくれた。
ブラウス汚れちゃってたみたい。
もう体を起こしても大丈夫なほどの回復ぶり。



「CTも血液検査も異常なかったし、本当、額の傷も縫わなくて良かったわよ〜」



「だね?私の身体能力ヤバいんじゃない?」



病室でお母さんと話してたら廊下からバタバタと音がして勢いよく入ってきたのは麻衣子たち。



「星那…!駅で倒れたって聞いて…!大丈夫なの!?」



「アハ、心配かけてごめんね?転んだ勢いで携帯潰れちゃったみたいでさ…」



すぐに連絡出来なくてごめん…と言う前に抱きしめられた。



「おーい、麻衣子…苦しい」



「良かったぁ〜!昨日の貧血といい今日もだからマジで心配したんだからね」



「あんた昨日も倒れたの?」とお母さんも会話に入ってきた。
だからフェロミア錠頼んだんじゃん。
そんなことより……







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