キミ、が欲しい



「あ、わかった!サトシ?サトシでしょ」



「それ元カレ」



「え〜?じゃあ……タケル?ジュンくん?あぁ、コウイチだ?」



「星那……もう大丈夫。それも全部元カレだから」



「あんた一体どれだけ元カレ居るのよ……お母さんも把握しきれてないわ」



エヘヘ、とおどけて「疲れた、ちょっとトイレ」と病室を出た。
麻衣子たちもついて来てくれて、点滴を引きながら歩く。



「星那、本当に覚えてないの?」



「ねぇ〜?打ちどころ悪かったかな?」



「ねぇ〜?って………」



心配そうに見る2人におどけるしかなかった。



えっ!!高校生なの?私…!!
拓海はS校!?
そこで出逢ったのが桜庭くん、だとか?
一生懸命皆が説明してくれるけど………




「ごめんなさい、覚えてなくて」



ベットの上でキミにそう言った時、
今にも泣き出しそうな、張り裂けそうな表情……胸がチクリと痛んだ。



「念の為、もう一度細かく検査してみるか」



「え〜また検査ぁ?」



「一時的な混乱だと良いんだけど…」



その日の面会は終わって「明日ね〜」と皆を送り出す。



病室に一人きり。
窓の外を眺めて小さなため息をついた。



「今日はゆっくり休みなさい」



そう言って肩をさすってくれるお母さん。



「あのさ……ひとつお願いがあるんだけど……」







明日の午前中には退院。
だから…………










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