キミ、が欲しい
「だからここは微分を使って……積分は微分の逆演算だから…」
ブツブツ言いながら数式を走り書きしていく私に皆が注目してたなんて全然頭になくて、目の前の難問に本気で集中してた。
1時間で移動した距離 = 1時間で移動した位置 – 正午にいた位置だから……
「あっ!!」
キタかも。
頭を抱えたままの麻衣子と梓に思わず指をさす。
「え?キタ?キタ?」って2人も興奮気味に立ち上がった。
「ここは因数分解じゃ解けないから二次方程式だよ!」
わかる人にはわかるはず…!
3人で黒板に向かい方程式を解いていく。
2つ出てきた数式としばしにらめっこ。
「じゃあ、これをイコールで繋げたら……」
ようやく長いトンネルから抜け出せた気分。
3人の声が合わさって出た答えは……
「「「11時23分っ!!」」」
先生もびっくりして
「お前らよく解けたな〜」と関心してる。
ていうか私たち、特待生ですよ?
なんてね、よく似た問題をたまたま最近目にしてた訳で。
応用させていただきました。
帰り道。
麻衣子たちとも別れて2人きりで帰路に着く。
手を取り部屋に招き入れたら、飲み物持ってきても突っ立ったままなんだもん。
「ハル…?座って?」
カバン握りしめたまま固まってるからとりあえずそのカバンを取ってソファーに座らせる。
ハルの緊張感がこっちにも伝染しちゃいそう。