キミ、が欲しい
1年生水泳大会当日。
一緒に登校した時もモジモジしてて笑ったけど、相当自信ないのかな。
別に泳げても泳げなくても好きな気持ちは変わらないのに。
「ハル、頑張ってね」
「うん…」
見に来てくださいって言ってくれたわけだし、ハルが泳ぐとこ初めて見るな〜って麻衣子たちと席に着いた。
何を恥ずかしがってるんだろうって不思議で仕方なかったんだけど……
個人メドレーから始まった大会は、やっぱり水泳部が活躍してて会場の空気を呑み込んでいた。
プログラムを見ながら
「あ、次ハルだ」と出場メンバーが登場するゲートに視線を移した瞬間。
「え?あの6番コース誰…!?」と皆が注目し始めた。
プログラムを見直すけど、あの6番コースは…やっぱりハルだ。
膝丈まである水着に帽子にゴーグル。
ほとんど他の人と変わらないけど、皆が注目したのはそこじゃなくて……体つき。
厚い胸板に割れた腹筋。
水泳部とまではいかないけど、なかなかの筋肉。
ていうか、一番好きな筋肉のつき方かも。
「D組の桜庭晴人だって!意外!」
他のクラスの女子たちが騒ぎ出している。
前に出てきただけで周りの反応が変化してるのを肌で感じていた。
「星那はもうあの体先に見てるんだもんね?ビックリしなかった?」
梓が小さな声で聞いてきた。
「え、あ…うん。ビックリはしたかな」
「イヤーン、刺激強すぎるわ」