華道家元の溺甘レッスン
4話

〇凡奈自室

回想・3話の最後柾に抱き締められた場面
柾「また、会ってくれますか?」

思い出しながらぽーっとする凡奈。
自室でメイクを落とし、ルームウエアに着替えてソファに体をあずけている。

凡奈(あれって、どういう意味で言ったんだろう。
  …そういう意味だって、思っていいのかな…?)
  (こういうのって本当に久しぶり…。
  全然楽しむ余裕が持てない!
  期待していいのかな?)
  (ダメだ、余計なこと考えちゃう。
  とりあえず、仕事のこと考えよう!)

ばっと起き上がって仕事の資料を見始める凡奈。

凡奈(そうだ、インスタレーションの作家さんのこと、
  正木さんにきいてみよう。
  もしかしたら、正木さんと仕事ができたりして…。)
  (ああ、ダメダメ!雑念すごい!!
  …でも、一緒に仕事ができたらいいな…。)

〇凡奈の仕事場・週明けのオフィス

柾にラインを送信する凡奈。

凡奈『近日いけばなインスタレーションをご依頼できる方を探しているのですが、
  いい先生をご存知でしたらご紹介いただきたいです。』

ほどなくして返信がくる。

柾『僕個人では直接はお受けできないので、
 本部に出来る者を探してもらって、
 直接凡奈さんにご連絡するように伝えます。』

凡奈(あれ…少し冷たい…?)
  (仕事に正木さんを利用してるって思われたかな…!?)
  (どうしよう!
  そんなつもりないのに…!!)
  (ああ、本部に問い合わせて自力で探すべきだった…。)

ぐるぐると考える凡奈だったが、
いけばな御堂河内流の本部から凡奈あてに電話があり、
打ち合わせに向かうことになる。


〇御堂河内流本部ビル・応接室

愛「はじめまして、
 御堂河内流の本部アシスタントを務めております、
 七岡愛と申します。」
凡奈「私、アオヤマデザインワークス株式会社の望月凡奈と申します。
  この度本件の担当を務めさせていただきます。
  どうぞよろしくお願いいたします。」
愛「よろしくお願いいたします。」
凡奈「それでは、
  今回のご依頼についての概要を説明させていただきます。」

凡奈が一生懸命資料などを使って説明をするのだが、
愛は仏頂面で相槌もそっけない。
明らかに不機嫌。

凡奈(困ったなー。
  この先生、あんまり乗り気じゃないのかな…?)

愛「あの、」
凡奈「はい。」
愛「このお仕事、お家元経由でいただいたと聞いたのですが。」
凡奈「はい?」
  (一旦家元にも話が伝わってるのかな?)
愛「望月さんはお家元とはどういったご関係なんですか?」
凡奈(え?)
  「いえ、私は、家元さんとはお会いしたことはないと思いますが…。」
愛「あなた、先日家元教室に来てましたよね?
 一日体験で。」
凡奈「あれ、家元教室だったんですね。
  はい、参加していました。」
愛「そのときに、お家元に飲みに行こうって誘ってましたよね。」
凡奈(え…?
  それってもしかして…)
愛「あなた、“柾さん”ってずいぶん親しげにお呼びになってましたけど」
凡奈「あの、“お家元って”…」
愛「御堂河内流のお家元は“御堂河内柾”家元です。
 あなた、わかっててお誘いしてたんじゃないんですか?」

凡奈、とてつもなく驚く。

凡奈(正木さん、じゃなくて、
  家元の“御堂河内柾”!?
  “正木さん”が家元だったの…!!?)
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