日本一の総長は、本当は私を溺愛している。
「適切な評価だ。」



「そう?それはありがとう。


ところで貴方は、ここで何を?」



「しらばっくれるな。


車を撃ったのは分かっているだろう。」



「あら、逃げないの?」



「瀬の一族に手を出して生きて帰れるほど
この世界は甘くない。」



「そうね。普通は無理ね」



「なに?」



「我々瀬の一族の教訓は、


我々を侮辱するものには死を。


考えうる最大の苦しみを味合わせ、


敵の最大の悲しみを引き出せ。」



「っ、そう、か」



「えぇ、だから。



貴方は、殺さないわ」



「なに?」



「正確には、貴方は死にたがりだから殺さない」



「俺が、死にたがっていると?」



「えぇ、有名な話じゃない。


アルバンデットは妻子を亡くし、
その復讐の為に世界を飛び回っている。」



ぎりっ。



歯をかみ締める音が聞こえる。



あら、当たり?



「そして、
その復讐相手はファルファーニファミリー


ごめんなさいね。先日潰したわ」



「あぁ、知っている。」
< 118 / 299 >

この作品をシェア

pagetop