日本一の総長は、本当は私を溺愛している。
「こ、子供が子供を庇いながら
大人から逃げるって、」



「あぁ、絶望的に難しいさ。


でも、これまでとは違って
大人は俺達殺しはしない。


ただ捕まえるだけ。


捕まってから逃げてもよし。


そんな単純明快なルールだ。」



「単純明快って、
子供には難しいだろ」



「それができるから妃瀬なんだ。


そんとき俺は、一個前で落ちていて
一ノ瀬家の子供が俺を指名していた。


俺は、悪い意味で有名だからな
鳴瀬の家もよく知られているし簡単だったんだ



東華様は相変わらずの一般家庭の子供を連れて
その子を逃がすと言っていた。


周りは笑ったさ。


何処の家か、
と言うことから探さないといけないし


連れは役に立たない。


みんな、所詮は黒田の出来損ないと笑った。


しかし東華様は、


「ただ単純にこの小さな脳みそでも分かる
簡単な家にしておきなさい。


そんな出来損ないの脳みそならね!」



そう言って鼻で笑われた。」
< 183 / 299 >

この作品をシェア

pagetop