日本一の総長は、本当は私を溺愛している。
『この電話番号は、現在使われておりません。』



無慈悲な機械音が耳を叩く。



長い間雨に打たれた体は寒さに震え、
目には暗闇が映る。



数時間前、



いつものように東華を尋ねた。



受付に行き入室許可書を貰おうとした。



そしたら、



「おかしい、ですね。
一ノ瀬 桃華様でしたら今日の朝方
退院されましたよ。」



受け付けの女性に言い渡されたそれは
俺の思考を停止させた。



そこからは闇雲に探し電話をかけた。



見つかるわけが、



ない。



帰る気も起きない。



たまり場にも行きたくない。



びしょ濡れになりながら繁華街を歩く。



聞き慣れた、



喧嘩の音がした。



気づけば体が動いて、
黒服の男に1発決めていた。



「この!クソガキ!!!」



思った以上に男たちは多い。



手にナイフを持った奴もいる。
きっと胸の膨らみ拳銃だ。



あぁ、死ぬのには、いい日だ。



殴り掛かる。
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