日本一の総長は、本当は私を溺愛している。
言わば妃瀬に与するものであれば
1度は入室の許可を貰い
入ってみたい所である。



そんな中庭に東華様は朝から
ずっとそこにおられるという。



我々使用人が立ち入るなど言語道断。



外から眺められるだけでも嬉しい程だ。



しかしもうすぐパーティーは始まってしまう。



主役である妃瀬の一族が
全員揃わないなどあっていいのか。



使用人3人でどうしようか迷う。



「何をしてるんだい。」



聞いたことのある声にすぐさま頭を下げる。



東華様のお兄様であらせられる
妃瀬 宏輝様だ。



「発言を許そう」



「失礼します。
東華様がこの中庭から出てこられない
ということでしたので
パーティーに間に合わないのかと」



「あぁ、なるほど。
確かにもうパーティは始まる。


でも大丈夫だよ。
東華は今この間の襲撃で疲れているからね


ここに帰ってきたのも
中庭に癒されるためだから
お爺様も許可している。


どうぞ仕事に戻ってくれ」



「かしこまりました。
失礼します。」



宏輝様の言葉で静かに会場へと向かう。
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