日本一の総長は、本当は私を溺愛している。

黒田組

立食会での出来事は
ヤクザ界に衝撃を走らせた。



絶大な力を持った妃瀬での内分裂。



しかし、妃瀬は
降伏するものには新しい職を
抵抗するものには人生を後悔するまで
尋問し殺した。



衰えることを知らず
1つの傘下が死んだというのに
その権威は下がること事を知らないとばかりに
妃瀬の名を高めた。



そして妃瀬以外のヤクザは情報収集に終われ
奥手に回らないようにする事で忙しい。



「てめぇ!!それコッチだァ!!」
「くみちょー!!くみちょー!!!」
「早く動けって言ってんだよ!!」
「指がおせぇ!!!」



七尾組も例外ではなく、
その中の如月会も忙しい日々を過ごしていた。



でも、



「なんで俺たちはこんなに優雅なの?」




俺の疑問は目の前でジジくさく
お茶を飲んでいる男に当てる。



ずるずるずー



「はぁ、美味し」



「じゃねぇぇ!!
俺達は働かなくていいのかよ!」



目の前の男、
渉はお茶を飲み一息つくと近くにあった煎餅を
手に取って食べ始める。



じじいだ。



しかもここ縁側。



「ほんとに大丈夫なのかよ」



俺たちの周りでは忙しく走り回る
男達が大勢いる
< 273 / 299 >

この作品をシェア

pagetop