日本一の総長は、本当は私を溺愛している。
いつもの部屋に入るとそこには
いつもの人物が待っていた。



「わりぃ、遅れたか」



「いや、始めたばっかだ」



目の前にビール瓶を掲げられ
苦笑しながらグラスを差し出す。



「久しぶりだな、
渉。」



「あぁ、お前も
見ないうちに老けたんじゃないか
悠月」



「うるせー」



「はっはっはっ!」



親友と言えるほど心を開いて早数年。



東華が滝壺に落ちた後道は別れ
それぞれの道を選んで進んだ。



再会したのは妃瀬の食事会。



今や妃瀬に次ぐ大きなヤクザとなった
七尾組の重役である俺も呼ばれた
妃瀬の食事会でたまたま再会した。



「結婚できそうな女は見つけたか?」



「それこそうるせーよ」



「は?ほんとにまだ見つけてねーのかよ」



「うるせー」



「全く、そこら辺の女引っ掛ければ
お前の顔なら直ぐに股開くぞ」



「いいんだよ、俺は1人で」



「....まだ、東華様のこと気にしてんのか」



「きにしねー方がおかしいだろ」



「全く、頑固かよ」



「てめーに言われたかねーよ」



「あ"ぁ"?俺がいつ頑固だったんだよ!!」



「この間の総会も、
下部会だってそーじゃねーか!!」



「それはてめぇらが至らねぇからだろ!!」



「お前に言われなくてもしてたんだよ!!」



「んだとこら!!」



「やんのだこらぁ!!」



どちらかともなく手を出し始める。



あぁ、また怒られて入院だ。
< 292 / 299 >

この作品をシェア

pagetop