間宮さんのニセ花嫁【完】



数時間後、無事に長かったお茶会が終了した。
お客さんを全員見送ると家に戻ろうとする梅子さんの背中に声を掛ける。


「あ、あの! 梅子さん!」

「話は後です」

「はい……」


梅子さんの表情の意味が読み取れず、私に対する評価がどちらに傾いているのか分からず仕舞いだった。
とぼとぼと家までの道を歩いていると不意に名前を呼ばれて前を向く。すると玄関先で待っていてくれた間宮さんの姿があった。


「お疲れ様、よく頑張ったな」

「千景さん……」

「本当、本当にありがとう」


心の底から感謝を伝えてくれる彼に私は顔を横に振る。違うんです、ありがとうは私の方。一番苦しい時に間宮さんが私を助けてくれた。
間宮さんだったから、私は頑張れたんです。


「千景、夕食後飛鳥さんを連れて私の部屋に来なさい」

「……はい」


隣を通り過ぎていった梅子さんに頷くと「俺たちも戻ろうか」と自然に私の肩を抱く間宮さん。
結果が気になりながらも足の疲労が激しかったので彼に身体を預けながら家の中に入った。


< 117 / 309 >

この作品をシェア

pagetop