間宮さんのニセ花嫁【完】



「あ、あの、この方々は……」

「うちのお手伝いさん。住み込みで働いている人もいるよ」

「はぁ……」


ずっと考えていたけれどこの家ってなんなんだろう。家の広さから見て凄くお金持ちに見えるんだけど。
間宮さんって雰囲気から一般人とは掛け離れている感じはしていたけど、本物のお坊ちゃんだったり。

ご飯の準備が出来、お手伝いさんたちが部屋から捌けるとご厚意に甘えて朝食をいただくことに。
大根の煮物にお箸を通すとしっかりと中まで味が染み込んでいるため簡単に一口サイズに割れてしまう。それを口に頬張ると控えめな味付の中に出汁のコクが口に広がり、思わずほっぺが落ちそうになるのを押さえた。


「お、おいひ〜!」

「はは、良かった。母に伝えておく」

「お母さん?」

「うちのご飯は俺の母が作ってるんだ」


え、この量のおかずを全部一人で!? はぁーと感心していると彼は食事を進めている私を眺めながら口を開いた。


「食事しながらで悪いんだけど、改めて結婚について話していいか?」

「っ……」


そうだった、と元々の目的を思い出すと手を止めて箸を置いた。


「何となく見当がついてると思うけれど、うちは代々続いてる名家の一つで、茶道の家元でもあるんだ」

「茶道……」


茶道ってあの和室でお椀をシャカシャカしてお茶を作るやつだよね。
昔学生の頃授業の一環で一度だけ体験したことがあるけど、それ以外での関わりは一度もなかった。


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