間宮さんのニセ花嫁【完】
「わ、私も……間宮さんといられたらそれで……」
「けどこういうのはちゃんと決めないとな」
「(急にリアリズムなった……)」
間宮さんの情緒についていけない。しかし彼の言う通りもし本当に籍を入れるのであれば私の両親へ報告しに行かなければならない。恋人に戻るのであれば住民票をまた移す必要もある。
思えば私たちって相当可笑しな関係を半年間も続けていたんだな。
私はコホンと咳をすると、
「私のポジディブ理論から言いますと、折角なので今の状況を楽しんでみるとかいかがでしょうか?」
「……というと?」
「恋人期間を素通りして結婚してしまっているので付き合い始めの初々しい感じを味わってないですし。だけど一度事実婚にしても結婚してしまっているので恋人同士に戻るのもなんか勿体無い気がして……」
つまりどういうことを言いたかったんだっけ。私は話しながら会話の終着点を探す。
私が決着に迷っていることに気付くと彼は素早く私の考えを察してくれた。
「確かに、今のままが俺たちらしいのかもな」
「そ、そうです! なので取り敢えずは現状維持ということで!」
「そうだな、ゆっくり考えていけばいい」
彼の手が伸びてきて私の指を絡めとる。指差しから伝わる熱で彼が私のことを思ってくれていることが分かった。
「これからはずっと一緒なんだから」
そう笑顔で呟いた彼を見て、私はまた幸せな気持ちで満たされるのであった。