間宮さんのニセ花嫁【完】
「そうねぇ、でもどちらかといえば百瀬の方が沢山貰っていたような」
「あ゛、ですね。百瀬くん……」
確かに百瀬くんはバレンタインデーに大人気な印象がある。そういえばこの間チョコレートのCMに出てたの見たな。
百瀬は何でも受け取っちゃうから、と昔を懐かしむように微笑む桜さん。
「千景で一番覚えてるのは小学生の時ね。クラスの女の子が家まで来てくれたことがあって。お母さんお返し一緒に考えてってお願いしてきたのよ」
「(何それ、可愛い)」
というか間宮さんの小学生時代の話もっと聞きたい。
と、
「母さん、何恥ずかしいこと話してんの」
「千景さん!」
たまたま居合わせたのか、台所に顔を出した間宮さんの頰が少し赤らんでいる。
もしかして今の話聞いてたのかな。
「本当のことでしょ? 結局沢山迷ってクッキーをあげたのよね」
「覚えてないよ、そんな昔のこと」
練習してるの?と台所に足を踏み入れようとする彼を慌てて引き止める。
「駄目です! 千景さんは2週間台所立ち入り禁止!」
「え、水飲みに来ただけなんだが」
「私が汲みますから! ここからは女子の領域ですよ!」