間宮さんのニセ花嫁【完】
そして、
「はい、勿論」
「っ……」
「その、私も色々と準備……します」
意を決して彼に告げると間宮さんは安堵したように溜息を漏らした。
「返事がないから引かれたんだと思った」
「そんな! 絶対ないですよ!」
「……じゃあ夕食を食べた後、でいいか?」
「っ……はい」
な、なんか今の会話生々しいな。そんなことを考えていると彼が「ありがとう」と頰に小さくキスを落とした。
「店の詳細、また連絡するな。多分前日から京都に行く用事があるんだけど金曜には帰ってきてるから」
「はい、じゃあお外で待ち合わせですね」
「……楽しみにしてる」
私も凄く楽しみだ。間宮さんと過ごす、最初の特別なバレンタインデー。
後に思い出しても素敵な記憶になるように、私も頑張らないと。
彼はその後、「離れがたいな」と口にして私が寝るまでずっと隣で添い寝をしてくれていた。
優しい間宮さんが喜んでくれる、きっとそんなバレンタイデーになるはずだ。