間宮さんのニセ花嫁【完】
「飛鳥」
彼が私のことをぎゅっと後ろから抱き締めるとお互いの肌同士が触れ合った。
そして、
「ずっと考えていたんだけど、俺たち籍を入れようか」
「……え?」
「夫婦になろう」
その言葉に振り返ると「やっとこっち見た」と彼が柔らかく微笑んだ。
「そ、それって」
「うん。俺は君とずっとこうしていられたらそれでもいいんだけど、でも一年一緒にいてこの先も俺の隣にいて欲しいって思ったから」
「っ……」
「誰から見ても本当の家族だって言えるように籍を入れたい、と思ったんだがどうかな?」
本当の家族、私は心のどこかでその言葉を欲していたのかもしれない。
恋人と夫婦、その間で揺れていた私の心は彼の言葉で今しっかりと居場所を見つけられた気がする。
「っ、します。入れたい、です!」
「うん、そう言ってくれると信じてた」
今度は前からぎゅっと抱き締めると彼は私の頭に顎を置いてゆっくりと息を吐く。
「俺からもよろしく、奥さん」