間宮さんのニセ花嫁【完】



私も気になってたけど、と小言を漏らす二人に「そうかな?」と照れ臭く首を傾ける。
元彼にはまだ悩まされている部分はあるけれど間宮さんのお陰で両親への問題は解決したから肩の荷が下りたのかもしれない。

すると弥生が「また飲みに行きたいよねー」と軽く呟いたのを聞いて隣の柳下くんが激しく賛同する。


「行きましょうよ、佐々本さんの彼氏吹っ切りお疲れ会」

「デリカシーのない会だな。まぁいいけど、店選びは柳下に任せたわ」

「まーた面倒ごとを俺に押し付ける!」


アンタも行きたいって言ったじゃん、と弥生が箸の先を柳下くんの方に向け、彼が「危ないって!」と声を荒げる。
この二人にはあの日の醜態を見せてしまっていたからもう飲みには誘われないかもしれないと思っていたのでこう言ってもらえるのは嬉しい。

だけど本番まであと二週間、今は空いた時間を出来るだけ茶道の稽古に使いたい。


「き、気持ちは嬉しいけどごめん! あともうちょっと待ってて!」

「何? もしかして忙しい?」

「う、うん! あと二週間したらいける!」

「何ですか、その期限」


不審に思った二人に何とか事情を誤魔化すと私はサンドイッチの最後の一口を口に放り込んだ。


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