新婚蜜愛~一途な外科医とお見合い結婚いたします~

 気がついて薄目を開ける。
 隣には誰もいない。

「嘘つき……」

 小さくぼやいて、リビングの方へ足を向ける。

 暗がりの中、テレビの明かりがチラチラと動いている。

「省吾さん」

 彼はギクリと肩を揺らした。

「すみません。起こしてしまいましたか」

「一緒に、眠ってくれると……」

「それは……今後しばらく私がソファで寝ます。ここでしたら、何かあればすぐ駆けつけられますから」

「そう、ですか」

 埋められない溝を感じ、それ以上は追及できなかった。

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