新婚蜜愛~一途な外科医とお見合い結婚いたします~
「では、もう今回の騒動はおしまいですね」
ホッと息をつく彼女へ、私は切り出した。
「いや、ついでというのはおかしいけれど、この際、話しておきたい」
「まだ、なにかあるんでしょうか」
身構える彼女へ、私は頷いてみせる。
いつか話さなければと思っていた。
私は全てを懺悔するつもりで、口を開いた。
「結愛さんの症状は『場面寡黙症』だと思います」
「場面寡黙症、ですか」
彼女は私が言った単語を、真似て唱えるように声に出した。
「ある場面になると話せなくなる、そういう症状をそう言います。結愛さんが場面寡黙症になったのは私のせいだ」
「省吾さんの?」
「ええ。私たちは子どもの頃、数度会っています。そのせいで、結愛さんのトラウマになった。全て、私のせいです」