新婚蜜愛~一途な外科医とお見合い結婚いたします~

 ボタンを外したのに、彼は腕から解放するどころか、そのまま引き寄せて抱きしめる。
 そして、あろうことか首元にキスをした。

「あ、の。話が違います」

「話、とは? ボタンを外してくれた、感謝の気持ちを表しました。それに、昨晩はずいぶんと我慢を強いられましたから」

「昨晩、あの話し合いが、ですか」

 また話の雲行きが怪しくなるのかとも思ったけれど、違う雰囲気で怪しくなっているような気がする。

「いえ。結愛さんは寝ぼけていて覚えていないでしょうが、私の胸元に顔を擦り付けてきました」

「え、っと、すみません」

「いいえ。それ自体は、愛おしいので構わないですけれど。私は結愛さんのかわいらしい顔にボタンが当たってはいけないと、数個外したら今朝の通りです」

 そこまで言うと、彼は再び首元にキスをした。
 そのキスは先ほどよりも、なんだか艶かしい。


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